スイスの決意 それは20年後に 原発をゼロにすること日本で福島原発が大事故を起こした直後の決定である“福島原発では今日も新たに2回の爆発が同時に起こりました“津波の後 福島原発が、連続爆発してからというもの、スイス人は放射能に対してひときわ敏感になった「“日本の汚染魚にノー!”韓国は福島産のすべての海産物を輸入禁止しました」バーゼルの研究所が昨年10月に発見をしたスイスのスーパーで売られていた魚が、放射能汚染をしていたのだ太平洋産のマグロからセシウム134と137が検出された福島原発事故由来の汚染である証拠だという「ご覧のようにセシウム134と137の両方を含有してました」「どれくらいの量?」「0.1から0.5ベクレル/ Kgです」所長によれば 基準値以下のため、健康には危険はないということだわれわれのために別のサンプルも分析してくれる「この魚は何ですか?」「タラです」「太平洋産タラ…バーゼル市内の店で買いました」「セシウム検査をするために…」(マルクス・ツェーリンガー バーゼル研究所放射能研究チームリーダー)「二つのセシウムが同時に検出されたら、福島が汚染の原因だと言えます」分析の結果 タラも福島の放射能に汚染されていた行政の基準によれば、危険はない量とのことだが…しかし国境の向こうのフランスには、別の意見の専門家もいる(クリラッド測定所)ブルーノ・シャレロン 核物理学エンジニア“放射能が無害”などという発言は、非常識だと彼は言う「被ばくには“しきい値”というものは、存在しないのです」「体が最少量のベクレルでも、ガンマ線やベータ線を外部や内部から受ければ後年それがガンになっていくキッカケになりえます」だから 被ばくとは、闘わなければいけない終わりのない戦争だそれが地球の裏側では、3年前から猛威をふるっている日本…その日 マグネチュード9の大地震が日本の沿岸部を襲った数十分後 巨大な水の壁が、太平洋岸一帯を飲み込む犠牲者は2万人を超えた5千人が行方不明だ津波は 福島第一原発も壊滅させたこれが運命の瞬間である巨大な波が施設を襲う冷却用タービンは 水没して壊れ原子炉はメルトダウンを始めた次々に爆発が起こった世界はチェルノブイリ以来、史上最悪の原発事故を目の当たりにした:原発から放射能雲が発生し、国土の大きな面積を覆った政府は3万人の住民避難を決定原発周辺に最初は20kmやがて30kmの閉鎖区域を設けた3年が過ぎた… 福島周辺では、今でも津波の爪痕が生々しい見渡すかぎりの瓦礫の山家や家具の残骸壊れた車 トラックこの地方全体が、巨大な除染作業の現場と化した放射能雲はいたる所を通過したたくさんの作業隊が表土を5cm掻き取り巨大な黒い袋に詰めている別の作業員がそれを積み上げる処分法がないからだ日本政府によれば“現場はコントロールされている”しかし現地の住民は安心できず自分たちで何とかする決意をした例えば原発から20km の南相馬市事故の翌日に避難を命じられた町だが2012年4月 閉鎖区域から外された住民は放射能という“毒”を自ら計測することにした事故後 独立した団体が数多く結成された「仮置き場が見えますよ」「放射性物質が貯蔵されてる所です」「積み上げられて ゴミの山になります」こうした団体の代表者は、ガイガーカウンター持参で住民のSOSに駆けつける丘のふもとの立派な家に呼ばれた家は市の除染を受けたばかりだしかし家主は安心できずにいる「全部 測りましょうね」日本政府の定めた許容基準値は、毎時0.23マイクロシーベルトつまり年間1ミリシーベルト国際的な基準によれば、それ以上の被ばくは危険である「素敵なお宅ですね」「放射能がなければ、もっと素敵ですよね」家主は名のある陶芸職人だ調査を始めると、たちまち測定器が鳴る基準値の20倍…「ここの除染は完了しています」「放射性物質はすべて除去したと、行政は主張してますがこのコンクリートの上など5マイクロシーベルトあります」「普通は年間1ミリシーベルト以上放射能を受けてはいけません」「ここの年間の被ばく量は4.3ミリシーベルトです」「チェルノブイリなら避難地域に指定される量です」「居住禁止のはずです」「ここは誰も住んではいけない場所なのです」彼は、妻と3人の子供を300km遠い場所に移住させたしかし自分は残るつもりだ大山弘一さんは 原発事故以来、ここに一人で住んでいる「15年前にここに来て、チェーンソーで土地を切り開きました」「この家は自分で建てました」「庭も家も全部、自分で設計しました」大山さんの家計は、惨憺たるものだそうだ補償はなく、顧客もないので、収入はゼロしかし税金は今でも毎年取られるテラスの線量は強烈だ基準値の40倍を超える「素敵な家ですから、売りに出してはいかがですか?」「誰も買いたがりませんよ」「どうして?」「だって、放射能汚染してますもの」「放射線管理区域内です」「ここの家を買う人なんていません」南相馬はどこも、放射能だらけだ政府は、地域の学校すべてに、モニタリングポストを設けた保護者を安心させるために、リアルタイムの線量が示される0.13マイクロシーベルト/時 基準値よりずっと低いしかし数メートル離れた道端の数値は、0.8マイクロシーベルトまで上がる学校前の公式数値の五倍だ「学校は除染されましたから」(吉田邦博 市民放射線測定所(CRMS)代表)「当然 数値も低くなっています」「でも10メートル離れただけで、数値は変わります」「4倍から5倍に上がります」「10倍に上がる所もあります」「私に言わせれば モニタリングポストは、何の役にも立ちません」「税金の無駄遣いです」「これは自然放射線なんですか?」「もちろん違います」「自然放射線だったら、0.05マイクロシーベルトくらいです」地域のすべての学校が、行政によって除染されたいわき市 福島原発の南40km この日、小学校では、みんな熱狂していた地元野球チームの人気選手を迎えたのだそしてグラウンドの片隅では、気ぜわしい様子のお母さん3人…彼女たちも公式数値をチェックするグループを結成したのだ1メートルごとに、グラウンドを測定する「そこの場所が、学校では一番高いです」(千葉ゆみ 主婦)「0.18マイクロシーベルト以上です」「グラウンドにしては高いですね」「健康にはまったく害がないと、保証されている数値です」「でも原発事故前と比べると、3倍から4倍 高いですね」グラウンドの次は校庭だ子供の健康を心配して、お母さんたちは、天任せにはしない「このタブレット GPS機能が付いていて 直接線量を記録するんです」学校責任者は万事順調だと主張するが、動揺を隠し切れない瞬間もある…「学校の除染は済んでますか?」「はい、人が来て学校の裏の木やあそこの木を切りました」「でも、正式の除染はされてません」「子供が遊んでも安全なのですか?」「私、個人としての意見ですか?」「それならノーコメントです」教頭の後ろには、モニタリングポストが2台も立っている1台目の数値は0.09マイクロシーベルト2台めはずっと高い数値を示している毎時0.14マイクロシーベルトだ「長い話になるのですが、私の聞いたところでは1台はある会社で作られたのですが、性能を満たしていないということで文部科省が契約を解除したそうです」「その後、新しい機械が設置されました」「裁判になってると思います」「同じ数値が出ますか?」「こっちの方が良くないようです」「性能が満たされていないそうです」妙な話だわれわれは取材旅行中ずっと、隣り合わせのモニタリングポストに出会った 政府が設置したモニタリングポストは、隣りの計器より低い線量のことが多いこの差はどこから来るのか?東京に戻るこの倉庫は、契約解除された計器のメーカーのものだ彼が社長の豊田氏「これが文部科省が発注したものです」(株式会社アルファ通信社長 豊田勝則)「省は600台 このリアルタイムの計測システムを注文し、福島県に設置しました」ところが使用が始まった数週間後省は計測値を補正するように要請した“計器の表示する値は高すぎる”という理由である省の通知は厳しい口調だった「省から届いた通知です」二〇一一年十月二十六日付け「ここに“表示値が高すぎる”とあります」「彼らは、6基のモニタリングポストを、現場で検査し省のガイガーカウンターに比べて、私どもの計器の値は、はるかに高いと」「従って、表示値の補正が必須であると」「即座に調整を行なうように要請されました」しかし豊田氏の計測器は、国際基準に従ってアメリカで製造されていたそしてアメリカの製造者は、補正を拒否した「アメリカ側とコンタクトを取り、数値を下げてくれと頼みました」「“機器は国際基準に則している”という返答でした」「“なぜ日本の基準に合わせる必要があるのかわからない“と補正を拒否されました」放射線量というのは不確定であるため20%程度の振れ幅が適用されるしかしほとんどの国が慎重をきして、最高値を採用している日本の官庁は、われわれの問い合わせに応じなかった豊田氏との裁判を控えているためという口実である国民の不安をあおるのを恐れて、危険を最小限に見せる事故当初から 国のこの態度に、日本人は苛立っている安全発言を告発するために、隠しカメラの使用を辞さないジャーナリストもいる日本では普通ほとんど使われないそのため、このジャーナリストの顔を公開することはできない“桐島 瞬”は彼の筆名だこの3年間、原発内部を撮影するため定期的に作業員として働いているこの日は、東京のある労働組合で、目撃したことを報告した集まっているのは原発労働者クビになる恐れがあるので、顔は公開できない「海を見るとすごく綺麗だけど、原発内部は、メチャメチャです」「これは?」「一号機のタービンです」「汚染水用のホース 破れたものです」原発内の仕事は、キツくて危険だ5千人の作業員はみんな志願者だ桐島 瞬は写真をとることは、自分の義務だと考えている「危険は承知です」「48歳 もう若くないですから、構わないです」「本当のことが知りたかったんです」「何が一番大切か、考えました」「危険を冒すほかない」「原発内で起こっていることを、本当に知るために…」彼は、私が福島原発に接近する手助けをしてくれることになった2012年以来 閉鎖地域は、原発周囲の円状ではなく放射能の広がりにほぼ沿っている許可なしで入ることは、不可能だ報道陣に許可の出ることは稀で、非常に規制されているしかし彼は通行許可を持っているのだ私は彼の車のトランクに隠れて、 閉鎖区域に入ることになった「チェックポイントです しばらくジッとしていて!」「こんにちは!」「申告することはありませんね?」「はーい どうぞ!」数キロ先 人目のない場所でトランクから出るだが顔を隠すようにアドバイスされた「こうやって、日本人っぽくして、外国人だとわからないようにしました」「日本人っぽく見える?」「ああ これなら目立たない」原発に向うと、ガイガーカウンターが鳴り始める許容基準値0.23μを超えている明らかな証拠だ「10.4」「危険?」「ああ 高すぎる」「10.4? 高すぎる 危険だ」「ほら ここを左折すると 1キロ半で原発だ」双葉小学校の駐車場に案内してもらう政府のモニタリングポストには、標準の50倍の線量桐島 瞬は激怒する「バッテリーを地面に置いてある!」「ガンマ線はブロックされてしまいます」「計器は、バッテリーと鋼鉄板の上に設置されてます」「ガンマ線は、センサーに届きません」「公式の線量は少なくなります」その証拠に二メートル離れた草の中では、21マイクロシーベルト/ 時公式線量の2倍に近い校舎の裏では測定器は狂ったようになる「ほぼ40マイクロシーベルト」「地面に置くと、単位が変わります」「ミリシーベルトになりました」「0.32ミリシーベルト つまり 320マイクロシーベルトですね」安全基準の1300倍を超える日本政府は、双葉町が何十年も住めないと宣言した「10年 50年は 帰れません」「ここに住んだら 許容基準の50倍の線量を浴びることになります」「年間50ミリシーベルト以上… 不可能です」「あまり長居しない方がいい… 行きましょう」「ここによく来るのですか?こんな危ないのに…」「私は福島原発で長く働いたので、もういいんです」「でも あなたみたいな普通の人は こういう場所に長居しない方がいい」閉鎖地域の線量は、 基準値をはるかに超える原発の周りの村では、2011年3月の震災の爪痕もそのままに時間は止まってしまったしかし日本政府はいつか 住民を帰還させる希望を失わないそもそも家を捨てることを拒否した人も多いこの農夫は原発から14kmの場所に住んでいる「私はレジスタントです」「神風」「牛のテロリストです」吉沢正巳さんは、300頭の牛と一緒に暮らしているみんな被ばくをしている「茶色い牛は日本特有で、黒いのとは全然違うんです」「出荷できませんし、食べることもできません」「譲渡も 売買も、よそに持ち出すことも、政府に禁じられています」東電からは2千万円の賠償金を受け取った「7.9マイクロシーベルト…」「7.6マイクロ この辺りは高いです」吉沢さんは 危険にもかかわらず ここに残る決意をした「人生の最後まで、群れにエサをやる 牛飼いでいたいんです」「牛を売れなくても、もう関係ないです」「原発事故があった… 仕方ないんです」「原発が爆発してしまったんだから…」「何が起ころうと 最後まで、生き物たちの世話をするんです」「残りの20年」しかも、牛たちは病気だ事故から一年 皮膚に白斑が現われた「2012年8月から、白斑が出はじめました」「黒毛牛ですが、首や背中や体のあちこちに、白い斑点が出ています」「すこし減りましたが、こっちの牛にも出てます」「被ばくをしているせいだと思います」「皮膚や色素の変異みたいなものでしょう」事故以来 200頭以上の牛が死んだ原因は不明だ政府は獣医を派遣して調査を行なったが結果は一度も送られて来ない「この牛は突然死にました」「健康に見えたのですが、突然元気がなくなって、原因はわかりません」「子牛も一緒に死にました」「原因不明です」「元気だったのに…」一頭ずつ死んだ牛のために、慰霊碑を建てているしかし自分自身の体調については語りたがらない「DNAの検査を二度ほど受けました」「大丈夫だと言われました」「少し心配な部分もあるけれど、 標準の範囲だと言われました」「若い人ほど心配だそうです」「私は来年60歳になるので…」「そんな年だから もう心配ないんです」それでも われわれに 診断書を貸すことを承知してくれた検査によれば、彼のDNAは損傷を受けていた問診をした日本の医師は、手で書き込みをしている:“やや高めですが心配ありません”しかし別の医師はこの記述に憤慨したチェルノブイリ事故後 ウクライナで、長く働いた医師だ「ある畜産家が検査でDNAの損傷を認められましたが医師は問題ないと言っています」「それはお医者さんが言ったんですか?」「とっても危ないですね」(河田昌東 分子生物学者)「上昇がどういう意味を持つのかは、わからないのです」「わかるのは、体内で何か大変なことが起こっているということです」「DNAが損傷すると何が起こるのですか?」「発癌リスクが非常に高まります」「しかしチェルノブイリでは癌も増えましたが、他の病気も多く現われました」「実は、癌はチェルノブイリ事故後に 現われた病気の10%に過ぎません」「多かったのは心臓病です」「セシウムは体内に入ると、すい臓と心臓に溜まるからです」「それから体全体に広まることが、わかってきています」福島では、こうした健康被害リスクが、011年3月以来、現実にある原子炉建屋が次々と爆発し、高濃度の放射性プルームが放出されたから甲状腺癌の蔓延を恐れて、日本政府は大規模な健康調査を実施している0から18歳の36万人の子供が、 ホールボディーカウンター測定と甲状腺の超音波検査を受けなければならないしかし保護者にとって 検査は良識的とは言えない郡山市 原発から50Km ここも放射能雲が通過したため ひどい放射能汚染をしている住民は子供の心配をしている「見て まだ毛があるよ」「うん 僕 毛があったの」野口とき子さんは、二児の母親だ十三歳のユメちゃんと 九歳のダウン症児 リンタロウ君リンタロウ君は、原発事故直後に髪の毛を失った医者によるとストレスが原因だ 「一番危険だったのは、3月15日だったと思います」「爆発後 何時間のタイムラグがあって放射能が風に乗ってきたのが、15日だと思います」「それが15日の雪雲で、郡山市に降り注いだのです」昨年 ユメちゃんとリンタロウ君も、県民健康管理調査に参加させられた甲状腺の超音波検査を受けたのだ「甲状腺検査を受けるためには、保護者はサインと捺印をします」「結果は子供の名宛で郵送されます」「“野口リンタロウ様”とあります」「封筒には“親展”とあるので、彼しか開けられません」「まだ小学校四年の身障者なのに!」「それで私たちが開封しました」「結果は、20ミリ以下ののう胞があると、それだけです数もサイズも図も無しです」「最後に“A2判定”だとあります」「次の検査は二年後だそうです」「信じられません!のう胞があるのに 二年も待つなんて!」「ショックもありますが、 怒りの方が大きいかな…」とき子さんの子供は、二人ともA2判定だった保護者に渡された書類によれば検査結果は次のように分類されているA1判定=甲状腺に異常は見られませんでしたA2判定=のう胞 または結節がありますが 問題はありませんBとC判定は二次検査 または 手術を必要とするこの不十分な情報に 保護者は安心することができないすでに75人の甲状腺癌と疑いが、発見されているだけに、なおさらだ通常の発症率の十五倍だ各地で、真実を探るための協会が動き出したその一つ 三春村も 放射能雲の影響を受けた地域だこの日 学校の体育館で、たくさんの家族が順番を待っていた「ここの黒く見えるシミが、のう胞と呼ばれるものです」この医師は甲状腺癌のスペシャリストだボランティアで検診を行なっている「甲状腺の左側に結節があります」「サイズは 8.2×3.6ミリ…」福島県の甲状腺検査は、信頼できないと、彼は言うそして権威機関の主張とは逆に、日本で癌が多発する恐れがあると言う「15年か20年後には、大変な状況になる可能性があります」「今の日本では 地上1mの線量が、年20mSv になる場所に人が住んでいます」(西尾正道 北海道がんセンター院長)「チェルノブイリの基準ならば、住民を移住させなければいけません」「年間3mSv以上で移住でしたから」「しかし日本は年20mSv まで、居住を許しています」「このままでは大変なことになります」およそ100家族が、西尾医師の診察を受けに来た「結果はいかがでしたか?」「問題ないそうです」「安心しました」政府が沈黙する中 こうした協会が、人々にわずかな安心と希望をもたらす「特別なことをやってるわけではありません」(鈴木薫 いわき市市民放射能測定室事務局長)「私たちのまわりは、放射能だらけです」「いつ次の爆発が起こるか、わかりません」「私たちはそういう状況に生きてます」「そんな中で、子供たちを放射能から守るには…私たちは殺されかかっているようなものなので…何かしなければなりません」「とっても受身な姿勢ですが、闘わなければなりません」日本政府は信用ならないと評価されているその政府を相手に、闘うすべのない保護者たち事故後 政府はこのアドバイザーを任命し、すべてが始まったこのビデオはインターネット上でも拡散された山下医師の発言は、日本中を震撼させた「放射能の影響は、ニコニコしている人には来ません」「クヨクヨしていると来ます」「これは明確な動物実験でわかっています」山下医師は、われわれの取材依頼に応じなかったその代わり、後任者に会うことができた鈴木医師だ“保護者が不安に思う必要はない”と 彼は言う「二人に一人の子供は、医療措置を受ける必要がありません」「のう胞があるのに?」「はい 問題ありません」甲状腺癌の数もまったく異常ではない と、鈴木医師は言う一番危険なのは、不安をあおることだそうだ「放射線は目に見えません」(鈴木眞一 福島医科大学付属病院病院長)「放射線による被害は、すぐには現われません」「ですから事故当初、みなさんが心配をされたのは普通です」「しかし、私の個人的意見ですが、放射線よりも放射線への恐怖の方が日本人に大きな影響をもたらしています」「放射線を怖がるのが、一番いけません」「わかりますか?」だが疑いがあるのか、福島大学は 巨大な放射線影響研究所を建設中だ2016年に開業予定だ日本は、暗い時代の到来に備えているわけだ御不可能なモノの制御を、試みるため日本政府は原発から60kmの福島市に原子力災害対策本部を設置したすべての関連省庁がここに集まっているそして原発を所有する東電もいる広報班長の木野正登さん事故当初から、本部を指揮している彼の任務はまだまだ続くだろう「もう三年近くここにいます」(木野正登 原子力災害対策本部(経済産業省))「今のところ、後どれくらいここに、いなければいけないかわかりません」「放射能がなくなるまでは 30年 40年かかるでしょう」「ですから、まだ長い間、ここで働くことになるでしょう」原発を解体するのに40年しかし目下、メルトダウンした原子炉を冷却しなければならない常時 水を掛け続けるのだ非人間的な仕事だ漏水ばかりしている何百人もの作業員が危険にもかかわらず リレー作業を続ける汚染をなんとか遮蔽しようと、応急処置をしている毎日300トンの高濃度汚染水が、太平洋に流れている「みなさん 環境の心配をされています」「高濃度汚染水が海に流れていますから」「当然です、特に漁業の方は心配されています」「一日も早く、汚染水の問題を解決しなければなりません」原発から海に漏れる汚染水が、 魚を汚染させている昨年水揚げされたこのアイナメは、基準値の2500倍の汚染をしていた漁業は沖合い40kmまで禁止されているいわき市のトロール船は、外洋まで操業に出なければならない捕獲が許可されているのは、約四十種類の魚だけだその一部は検査に出さなければらない港では、県の役人が待ち受けている「魚は研究所に持って行きます」「放射能の検査をするためです」この数ヶ月 県の検査結果は、魚を売ったり食べたりするのに安心な値になってきている「食べるんですか?」「もちろん タコ」「生で?」「もちろん 食べるよ 汚染ないもの」(鈴木みつのり 漁師)「放射能ゼロだもの」「これも放射能ゼロ」タコやイカは、放射能に敏感ではなく漁を許されている数少ない魚種だしかし漁師たちは、全面解禁を願っている「常時モニタリングしていると、基準値超えの魚も見つかります」「100ベクレル以上ということです」「でも検査のたびに、値は下がってます」「政府は、とても慎重なんです」「だから、何百回も検査して、はじめて漁の許可を出します」日本政府は、汚染の続く限り、漁業を監視・制限すると宣言している日本気象研究所も、モニタリングに参加している青山道夫は、2011年以来政府の委託で、太平洋の放射能の拡散を観察しているそして安心できる見解を表明した「福島原発から流出した放射能は、まず黒潮に乗ります」「そして東に進みます」「ただしそれほど東進しません」「2011年冬から2012年春にかけて、汚染は東に流れました」「そこで冷やされて沈みます」「深く沈んだ後、方向を変えて南に向います」「そして西に戻ります」「日本に帰ってくるのです」「こうして一部は日本に帰ってきます」「福島から2500~3000キロに、運ばれた放射能は「水深400mまで沈んでしまっています」青山教授によれば太平洋の生物には、まったく危険はないということだ「絶対ですか?」「太平洋の魚はまったく問題ありません」(青山道夫 気象庁気象研究所)「危ないのは、福島原発に接する海域の魚だけです」「ここで育つ魚の遺伝子は、放射能でほんのすこし傷ついています」「けれど外洋の魚は、浅い所でも、深海でも、まったく大丈夫です」「放射能が蓄積していも関係ありません」「魚は食べて大丈夫なんですね?」「大丈夫です 私も食べてます」この青山教授の説は、東京のある科学者を困惑させた崎山比早子さんは、この日、放射能情報センター(原子力資料情報室?)に招待されていた放射線科学研究所の所長である崎山さんに青山氏の説を話してみると…「魚が高濃度汚染水の中を泳いでも、まったく問題ないそうです」ほんとに!?」(崎山比早子 福島原子力発電所事故調査委員会委員)*崎山氏より海洋学は専門外と断りがありました「そんなこと聞いたことありません」「海洋学の青山先生ですよね?」「魚が出られないように、網は張ってあるけれど汚染水は自由に流れるから…」「セシウムは砂や泥について、水の底に沈むけれどそれを食べる魚だっているし、回遊してくるから もちろん影響はあります」「影響がないなんて、あり得ません」「(私は専門外なので)何故、彼がそんなことを言ったのか わかりません」日本政府は大丈夫と言っているが、太平洋汚染の危機は現実ということだ太平洋の向こう側では、その危機感が広まっているアメリカ…サンフランシスコ毎週ボランティが達が、流れてくる津波の瓦礫を清掃する環境を守ろうとする彼らにとって、 今回の汚染は大惨劇だ「海は私たちの命です」「地球の70%が海です」「原発事故は、もちろん、海に影響を与えます」「悲劇です」「日本からアメリカまで、生態は被害を受けるでしょう」津波による瓦礫の大部分は、今年の春、アメリカ沿岸に届くはずだしかし科学者が一番心配しているのは、生態への影響だニューヨーク州ストーニーブルック大学この海洋学者は放射能汚染したマグロの切り身を保存している太平洋産のマグロですサンディエゴ沖15~150キロの海域で捕獲されました分析の結果 福島原発由来のセシウム134と137が検出された「このピークは、福島の放射能でなければ現われません」(ダニエル・マディガン ストーニーブルック大学生物学研究者)「セシウム134がとび抜けている以外には、目立ったところはありません」カリフォルニア沿岸中で、科学者グループは動き出しているダニエル・ハーシュ教授は、リフォルニア大学で原子力政治学を教えている福島原発事故は、地球規模の被害をもたらす大惨事だと言う「放射能に、安全なしきい値のないことは、わかっています」)(ダニエル・ハーシュ カリフォルニア大学原子力政治学教授) 「海に流された汚染水によって、被ばくの危険は上昇しました」「どの程度かはわかりませんよ」「福島原発事故は世界規模の事故でした」「被害はグローバルに出るでしょう」「どのようなものかはわかりませんが、人類に現われる健康被害は 膨大でないにしてもゼロということもありません」太平洋汚染への不安からカリフォルニアでは、人々は警戒を怠らないヨーロッパはどうだろう?海は影響を受けなかったが、放射能雲は届いていたその大きさは?フランスの科学者達は、それを突き止めようとしたパリ近郊「大事故… そう 大惨事でした」IRSNは福島由来の放射能雲の通過コースをシミュレーションしたこれがその結果だ「プルームは太平洋に広がり、北米大陸に向かい合衆国とカナダの間 そしてカリフォルニアのアメリカ沿岸に達しましたそのまま北米大陸特にアラスカに広がりましたボストンから大西洋に抜けます北極圏からも広がっていますそしてスエーデンから北欧に入ります東欧に達し 南北と東西に流れながら徐々にフランスにも広がりました」「フランス人に危険はなかったのですか?」(オリヴィエ・イスナール フランス放射線防護原子力安全研究所・放射線防護課副課長)「ありません。十分に低いレベルでしたから」「ヨーロッパに住む人には 健康被害は出ません」だが独立の立場の専門家は、そんなに簡単な問題ではないと言う確かにヨーロッパの放射能汚染は、少なかったがリスクは現実だったと、クリラッドの専門家は言う「フランスの住民も、福島の放射能をある程度受けました」「呼吸と食物を通してです」「幸い、 チェルノブイリの時の1000分の1程度でしたので例えば安定ヨウ素剤の服用と言った勧告を行なう必要はありませんでしたとはいえ、あらゆる追加被ばく量は、健康リスクを上昇させますですから、長期的な目で見て、影響がないと断言することは不可能です」「これは日本以外の世界中の人に言えることです」ふたたび日本南相馬市 福島原発から20kmいわもとてるおさん 退職者三歳の時から、地元の川で釣りをしている祖父に教えてもらった彼の生活スタイルなのだ「ナマズ」「食べられますか?」「いいえ」「どうして?」「放射能に汚染されてます」「たぶん1000ベクレル近く」「危険ですか?」「ええ 今の日本の基準が、100ベクレルです」「太田川は900とか、1000ベクレル出てます」いわもとさんは鰻釣りの名人だ日本人の大好物だしかし高濃度汚染しているので、もう食べられない自宅に戻って、検査するために鰻を切り刻む原発事故以来彼の趣味は終わった「定年退職して、人生を、これから楽しもうと思っていました」「まさにその時 原発事故が起こったんです」「こんなこととは、関係なく生きたかった」「放射能測定なんてこととは…」「いつかまた川の魚を、食べられる日が来ますか?」「私の生きている間は、来ないでしょう」いわもとさんは自主的に、放射能測定を行なっているそれが義務なのだと言う未来の世代が、この悲劇を繰り返さないように故郷の川と…これほど多くの人生を破壊してしまった悲劇放射能に関する覚書とツイッターのまとめhttp://kingo999.blog.fc2.com/blog-entry-1639.htmlpeace please !!! http://kingo999.blog.fc2.com/blog-entry-1639.html『俺はココロの自由を殺さないで、粋てゆけるはずです。初夢は泥だらけの石亀がゲージの中でもさっと寂しそうでした。でもねっつ ... http://dmm-news.com/article/906422/』14:21 @アンチどっつ経済屋 裕 http://ameblo.jp/usinawaretatoki/entry-11971607374.html(1時間前)