福島廃炉を初見学 高校生が破った東電のカベ
編集委員 滝順一
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- 2016/11/28 6:30
- 日本経済新聞 電子版
福島県立福島高校の1、2年生13人(男子5人、女子8人)が5人の同校教諭とともに11月18日に、東京電力・福島第1原子力発電所の廃炉作業現場を見学した。2011年の事故以後、福島第1原発に18歳未満が入るのはこれが初めて。生徒たちは原発や放射線について事前に勉強し東電の担当者を質問攻めにした。記者は見学に同行し「これは小さくて、大きな一歩ではないか」との印象を抱いた。
■約2時間、バスの中から敷地内を見学
福島第1原発事故の後始末は巨大で複雑な国家的事業だ。高校生の見学がその状況を変えることはない。廃炉や除染の費用は天井知らずで増え、賠償をめぐっては東電と被災者との対立が続く。見学は小さな出来事にすぎない。しかし学校、東電の双方の当事者にとって見学に踏み切るのは決して小さな決断ではなかったろう。こうした小さな一歩の積み重ねがなければ、廃炉も復興もうまく前進しないにちがいない。
まず当日のスケジュールだ。生徒たちは午後1時半ごろ、見学者の受け入れ拠点になっているJヴィレッジ(サッカーのナショナルトレーニングセンター、福島県楢葉町、広野町)に到着した。予定より約30分遅れだった。
東電の石崎芳行副社長(福島復興本社代表)と増田尚宏常務(廃炉推進カンパニー社長)らが出迎えた。生徒たちは廃炉のごく簡単な概況説明を受け、現場での注意事項を聞き、専用バスで約20キロ離れた福島第1原発に移動した。
原発の敷地内にいたのは午後3時ころから2時間ほど。入退域管理施設を通り個人用線量計と手袋を受け取り、靴カバーをつけて、今度は構内専用のバスに乗り込んだ。普段の制服や体操服のままでマスクも着用しなかった。その代わり、免震重要棟に入る以外は敷地内にいる間、参加者はバスから下車しなかった。
見学はまず1号機が眺望できる高台を目指した。多核種除去設備(ALPS)が入ったテント、汚染水のタンク群を抜ける。1号機の原子炉建屋は建屋を覆っていたカバーがとれて上部の鉄骨がむき出しになっている。
次にプールから使用済み核燃料の取り出しが終了した4号機の前まで行き、それから北に回り込み、5、6号機の横を通って津波で壊れたタンクなどがまだ残る港湾部に達した。最後に免震重要棟を訪れた。
最初は表情に硬さも見えた生徒たちだったが、Jヴィレッジからの移動のバスで隣席の東電の人から話を聞いたり友人同士で会話したりするうち緊張が解けてきた様子で、敷地内の見学中は石崎代表らにしきりに質問を投げかけていた。報道陣も同乗したが、走行中は席を立つことができず、どんな会話があったのかは、見学後に尋ねるしかないのは残念だった。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO09869050U6A121C1000000/?df=2
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◆福島廃炉を初見学 高校生が破った東電の壁(有料会員限定)
福島県立福島高校の1、2年生13人(男子5人、女子8人)が5人の同校教諭とともに11月18日に、東京電力・福島第1原子力発電所の廃炉作業現場を見学した。2011年の事故以後、福島第1原発に18歳未満が入るのはこれが初めて。生徒たちは原発や放射線について事前に勉強し東電の担当者を質問攻めにした。記者は見学に同行し「これは小さくて、大きな一歩ではないか」との印象を抱いた。
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