自動運転車解禁へ法整備 記録装置義務付け、政府検討
『愛を唄って53年つづく、、、え)』https://20th.excite.co.jp/ 裕
政府は自動運転車の本格導入に向けたルールづくりに乗り出す。運転記録装置の設置を義務付けることを検討する。自動運転車が事故を起こした場合、原因が運転手かシステムの問題かを判別するため。保険会社による過失割合の認定や警察の事故捜査などの判断材料に活用する。新たな事故原因の調査機関も設ける。ルール整備で国内の早期普及を後押しし、日本メーカーの国際競争力を引き上げる狙いだ。
【イブニングスクープ】
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翌日の朝刊に掲載するホットな独自ニュースやコラムを平日の午後6時ごろに配信します。政府が5月をメドにまとめる「自動運転に係る制度整備大綱」に盛り込む。2019年の通常国会で道路交通法など関連法の改正案を提出する見通しだ。
国土交通省が26日に開いた自動運転車の損害賠償責任の研究会で報告書の素案を示した。
ルールの対象となるのは完全自動運転の一歩手前の「レベル3~4」。レベル3は人が運転席に座り、事故などの緊急時のみ手動で運転する。レベル4では過疎地など運転しやすい地域なら運転席に座る必要がなくなる。
人の関与の余地が残るレベル3~4では、車の所有者や運転手が一義的な責任を負う現行制度を維持。そのうえでシステムの不備が事故原因となった場合は、保険会社が保険金額の一部負担を自動車メーカーに請求できるようにする。国交省研究会はメーカーがあらかじめ一定の保険料を納める案も議論していたが負担の公平性を担保しにくいこともあって見送る。
記録装置の設置も義務付ける。自動走行した時間帯や位置情報のほか、運転手またはシステムによるハンドルさばきやアクセル・ブレーキ操作を記録することを検討する。事故発生時が自動運転だったか人が運転していたかを明確にする。システムが正常に作動していたか、運転手が注意すれば回避できたかなども検証しやすくする。
記録をもとに、自動運転車の事故原因を解明する新たな国の機関を創設することも検討する。同機関が原因究明の結果をメーカーに伝え、再発防止と自動運転技術の向上に生かす。
自動運転を本格的に普及させるには、自動運転中に事故を起こした際の刑事・民事責任や被害者救済のあり方といった法整備も必要となる。関係する法律は自動車損害賠償保障法や民法、刑法、製造物責任法など幅広い。省庁横断の会議などを通じて課題を洗い出す。
海外でも急速に自動運転車のルール整備が進んでいる。国交省研究会の資料などによると、米国やドイツは記録装置による走行データの保管を求めている。英国では所有者が不正改造したり運転システムのアップデートを忘れていたりすると事故の保険金を支払わない制度にする方針だ。
自動車メーカー間の開発競争は激化している。米ゼネラル・モーターズ(GM)は1月中旬、米政府に公道でのハンドルやペダルのない自動運転車の走行許可を申請した。2019年に同型の自動運転の量産車を実用化する方針。トヨタ自動車も2020年代前半に一般道を含めた自動運転技術の実用化をめざす。
自動車メーカーにとっては事故が起きた際に機械やシステムの欠陥として巨額の賠償金を負わされるリスクがある。事故の責任の所在を明確にするルールづくりは本格普及には不可欠となっており、メーカー側からの要望も強かった。